現物を参考にしているだけに、キットのモールドはとても細かくできています。
しかし、1カ所だけ、外観上大きく異なる部分があります。アンカーの部分です。
詳しい名称は知らないのですが、アンカーのベルマウス(?)の部分です。
キットでは単純な円形ですが、実物は楕円形で、斜め下方に伸びています。
この部分を実物に近づけてみたいと思います。



楕円形のモールドをどのように作ろうか考えました。
最初は、銅線を楕円形に加工して取付けたらどうか、と考えましたが、
きれいな楕円形に加工できる気がしません。
プラ素材で楕円形の輪を加工するのも難しそうです。
そこで、楕円形に加工したプラ板を接着したあと、斜めに開口したらどうかと考えました。

いきなり本番で失敗すると怖いので、まずはプラ板で試してみます。
お!なかなかよさげです。これでいってみます。


では、本番です。まず、モールドを削り取ります。
アンカーチェーンも金属のものに置き換えるので、いっしょに削ります。


0.3ミリプラ板を、3ミリ径ポンチで打ち抜き、側面を削って、
楕円のプレートを3枚作ります。


流し込み接着剤を使って、アンカーの部分に接着します。


乾燥後、まず垂直に1.0ミリピンバイスで垂直に開口し、丸棒ヤスリを使って、
斜め下方向に穴を拡張していくように削っていきました。いいかんじになりました。


その他の部分です。
1905年(明治38年)2月初旬に撮影された写真に、
舷側にスカッパーらしい物が複数見られたので、プラストライプを使って追加しました


艦尾スタンウォークへの水密扉をエッチングに置き換え。


上甲板は、ガイドモールド、アンカーチェーンのモールドを削り取りました。