病院船「氷川丸」は、船体の塗装に移ります。

船体は白で塗装します。白の塗装は、隠蔽力がなくて下地が透けてしまったり、厚吹きになってモールドがダルくなってしまった経験があって、なんとなく苦手意識があります。
悩んでいても先に進まないので、意を決してやっつけてしまいます。
船体は、全体に白サフを薄く吹いた後、ツヤ消し白のラッカースプレーで薄く何回かに分けて塗装しました。その他甲板上の細かい部分の塗り分けは、水性アクリルの艶消し白を使用しました。
その他細かい部分の塗り分けも行いました。船艙の艙口は、独断でオリーブドラブで塗装しました。


船艙の艙口は、板を渡してその上から防水布を被せています。現在の「氷川丸」では、甲板部の艤装品と同色のグレーになっています。



映画「海軍病院船」で、視察に来た山本GF長官が、第5番艙の前を横切るシーンがあります。やや影になっていますが、艙口上面は何かしら暗い感じの色であることがわかります。
また、艙口上面に仮設の通風筒が立っています。参考資料「氷川丸とその時代」によれば、「五番艙中甲板をすべて第三病室とし、両舷に五個づつ舷窓を新設、換気のために電気通風装置を設置し…(後略)」とありますので、この電気通風装置に通じる通風筒と思われます。第二番、六番艙にも電気通風装置設置の記述がありますので、同様の通風筒が立っていたものと思われます。
現在の第五番艙は見学ルートにないので、確認することはできません。位置は見学ルート入り口を入ってすぐ、エントランスロビーの真上になります。

(出典:映画「海軍病院船」)

ボートデッキ上部の甲板はマスキングで塗り分けました。細かいマスキング作業のうえ、マスキングが不十分で隙間から吹き込んでしまい、木甲板のタッチアップに苦労しました。
上部明かり取り窓の塗り分けを途中までやったのですが、考え直して全部白で塗りつぶしました。



まだ「氷川丸」の製作年次を決めていなかったのですが、映画の撮影された1943年頃としたいと思います。赤十字標識の数、仕様などが最終時の「氷川丸」と異なります。