SSブログ

艦橋の工作(3) [1/700長良]

防衛省が次期戦闘機をF-35Aにしたい旨の答申を政府に行いました。
いわゆる内定です。政府の安全保障会議と閣議を経て正式決定になります。
カタログスペックと先進性を見れば、確かにこれしか選択肢はないのですが、
ライセンス生産部分や国内組立工程がどこまで許されるのか、
2016年の納期に間に合うのか、金額はどうなるのか、などいろいろ不安な面も多いです。
後になって、こんなはずではなかった…、ということにならないよう
アメリカとの本契約は、抜け目なくしっかりと行ってほしいものです。

長良は艦橋の工作の続きです。
今回は重大な失敗の報告が2件あります。

艦橋構造物の後部にステージを取付けました。
DSC06449.jpg

艦橋内部も作りましたが資料がないためほとんど想像です。
ステージ後部に追加された作戦室は前薔といっしょに後で取付けます。
DSC06479.jpg

前薔主柱が垂直に立つかどうか擦り合わせを行います。
ここで重大な誤りに気が付きました。
測距儀と前薔測的所支持金物とが干渉してしまいます。
DSC06441.jpg

もともと艦橋構造物のパーツが大きめに作られていることは
以前のエントリで指摘していましたが、
そのことを失念して実物写真を参考にしてディティールアップを進めたために
艦橋の全高が実測で1.5mmほど高くなってしまいました。
これは前薔の方で調整するしかなさそうです。

失敗がもう一点、この長良、露天艦橋シリーズの第2弾として作り始めましたが、
設定の1936年(昭和11年)の時点で露天艦橋ではありませんでした。
満州事変(1931年(昭和6年))の出師準備で多くの艦が固定天蓋に変更されたようで、
長良もそれに準じたものと思われます。
当初、光人社刊「日本海軍艦艇写真集14 軽巡 長良型」p.14の写真を見て、
露天艦橋だな、と判断したのですが、どうもこれは固定天蓋に日光が反射して
白く写っているようです。
同時期に上海で撮られた写真にキャンバストップのものがないことから、
おかしいな、とは思っていたのですが、検証不足でした。
よって、「露天艦橋シリーズ第2弾」という看板は外させていただきます。

ということで、固定天蓋を0.3mmプラ板で作成。
DSC06488.jpg

塗装して取付け。
手旗信号台の位置は写真からこう解釈しましたが、自信がありません。
DSC06499.jpg

船体に取り付けました。14cm単装砲も同時に取付けました。
DSC06507.jpg
nice!(4)  コメント(11)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 4

コメント 11

低空飛行

こんにちわ。初めまして。
いつも更新を楽しみにしています。
FX、自分はユーロファイター推しだったのですが、所詮かなわぬ夢だったです。
長良についてですが、艦橋固定天蓋は測距儀筒の前端辺りまでですね。
手旗信号台は固定天蓋の後端にあります。 鮮明な写真で見ると判ります。

by 低空飛行 (2011-12-16 22:40) 

VAN

低空飛行さま、はじめまして!
拙いブログではありますが、今後ともよろしくお願いします。

>ユーロファイター
内定直前には英キャメロン首相が野田首相と電話で会談して
トップセールスしたそうですが、残念でしたね。
ライセンス生産にあたってブラックボックスを設けない、という提案は
航空産業の維持発展の観点から非常に魅力的でした。

>長良
大変重要な情報提供ありがとうございます。
手持ちの学研「軽巡 球磨・長良・川内型」p.55の写真が
VANの持ってる唯一艦橋の詳細がわかる資料なのですが、
よく見てみると、なるほど確かにそのように見えますね…。
キャンバストップと誤認した写真も良く観察すると
そのように見えます。検証不足でした。
できれば修正したいのですが「測距儀筒の前端辺り」とは
固定天蓋後端と測距儀筒前端とが接するくらいでしょうか。
測距儀筒に少し(半分くらい?)食い込む感じでしょうか。

もしよろしければ、低空飛行さまが参考にされてる資料名を
ご教示願えませんでしょうか。
公に入手できるものだといいのですが。
by VAN (2011-12-17 12:53) 

さっちゃん

F35、ひゅうが型や22DDHでの運用を頭に入れてるんでしょうかねぇ?
by さっちゃん (2011-12-17 15:10) 

低空飛行

F35、あのスタイルが好きになれません・・・というのを置いておいても、そもそも専守防衛の軍隊に高度なステルス機が必要かどうか疑問に思ってます。 いや、某国の核兵器開発施設を密かに攻撃するのならアリですかね。

VANさん、長良の写真は昔のシーパワーという雑誌に掲載されたもので確認しました。 メールででも送ってもいいのですが・・・アドレスは非公開でしょうか? また、余計な指摘をしてモチベーションが低下しなければ良いのですが。(少し心配してます)
by 低空飛行 (2011-12-17 21:55) 

VAN

さっちゃんさん、こんにちは。

>ひゅうが型や22DDHでの運用を頭に入れてるんでしょうかねぇ?
今回決定されるのはF-35Aで、強襲揚陸艦等に搭載される
短距離離陸・垂直着陸型のF-35Bとは形式が異なりますので、
DDHへの転用はできないですね。
だけど、今回の導入をきっかけにいざとなれば同じシリーズのB型も
導入するかもしれない、という
周辺国に対する潜在的なアピールもあるのかもしれませんね。


低空飛行さま、こんにちは。

>専守防衛の軍隊に高度なステルス機が必要かどうか疑問に思ってます。
今後30年絶対的な優位性を確保しうる機体、
という点に重点をおいて選定したらF-35Aしか選択肢がなかった、
とVANは理解しています。
平時においてはステルス性能はオマケみたいなものでしょう。
おそらく実戦配備されても主翼下に増槽やミサイルをぶら下げて
運用されるものと思います。
真価を発揮するのは敵航空戦力による大規模侵攻の時でしょう。
F-35があることにより、投入した戦力に見合った成果が
得られないとなれば侵攻を思いとどまる、という論法です。

長良の件、初対面にも関わらず不躾な質問に
お答えをいただき恐縮です。
VANはここ最近艦船模型を始めた新参者なので
資料も最近のものしか持ち合わせておりません。
「過去の○○に載ってる」という話を聞いて
調べてみると絶版だったり入手困難だったり、
まとまった資料が少なく難儀しております。
今回のご指摘から、再度艦橋部分の見直しを行ったところ
いろいろと構造上破綻している部分がいくつか見られました。
また、お答えの文面から見るに、その写真を見ることは
「開けてはいけないパンドラの箱を開けるに等しい行為」と
理解いたしました。
よって、今回はご指摘いただいた固定天蓋後端部のみ
修正するものとし、その他については不確定な部分が多いことを
ブログに明記することとします。
もし今後低空飛行さまがおっしゃった写真を入手できることがあれば
その時改めて「長良Ver.2.0」として制作したいと思います。
ご教示大変ありがとうございました。
by VAN (2011-12-18 16:36) 

低空飛行

資料は多い方が良いと思いますが、たしかに資料にとらわれすぎると製作がすすみませんね。 自分としてはVANさんの製作記そのものが楽しみなだけで、製作品のミスをつつくつもりは毛頭ありませんから。
話かわって、世界の艦船1月号増刊「日本の巡洋艦史」は見ましたか?
これになんと由良の迷彩塗装状態の写真が載っているじゃありませんか。  その写真1枚のために2300円・・・・・後悔してないです。
睦月の迷彩姿と並べるととても良いではないでしょうか。 >VANさん

by 低空飛行 (2011-12-20 23:16) 

jeff-carlton

VAN様、こんばんわ。

わたしのブログへのコメントありがとうございました!
爆雷ってあんな感じで良いのでしょうか?
【初雪】に付いていた爆雷のパーツを真似しただけですが【雪風】にアレは正解なのでしょうかね?

完璧に超素組(本当の素組は無塗装ですよ!)のわたしにとりましてVAN様のコメントは大変嬉しく、やるき満々になりました。(笑)

それにしてもエッチングの接着には参ります。
ファインモールドの取説には「ゴム系透明接着剤をラッカーで溶いて使用する」とありました。自分は瞬間接着剤でやっていましたが、いまいち相性が良くないです。
ファイモールドの方法で明日やってみようと思っています。
by jeff-carlton (2011-12-20 23:55) 

VAN

低空飛行さま、こんばんは。

むしろ指摘していただいて、ありがたいと思っています。
指摘いただいた箇所を直すにしろ直さないにしろ、
「ここは間違ってる」とブログに明記することで、
間違いの連鎖を食い止めることができますから。
「手の届く範囲」で考証を行っているのですが
やはりひとりの力では限界を感じます。

>世界の艦船1月号増刊「日本の巡洋艦史」
もちろん買いました!
広告に出ていた迷彩塗装の謎の軽巡が気になっていたので。(笑
あの由良は初見です。
わがシマシマ艦隊にもぜひ加えたいですね。
他にも初見の写真が多く(特に明治期の艦船)、
毎日ニヤつきながら眺めています。

>jeff-carltonさま、こんばんは。

雪風も艦尾に爆雷軌条があったので正解ですね。

VANはエッチングの取付けにはゼリー状と液状の瞬間接着剤を
併用しています。
これもTakumi氏の受け売りですが。
by VAN (2011-12-22 00:00) 

jeff-carlton

VAN様、こんばんわ。

>雪風も艦尾に爆雷軌条があったので正解ですね。

良かったです。
って事は?軌条だけでも良いのですよね?

>VANはエッチングの取付けにはゼリー状と液状の瞬間接着剤を
併用しています。

ゼリー状の瞬間で、はしごの端などを接着し、その後他の部分を液状で瞬着すると言う事でよろしいでしょうか?

【質問】接着剤の流し込みは「楊枝」やデザイン・ナイフの先端」などでしょうか?

私がやるとどうしても液が多すぎて、ジャッキ・ステーなんか、ピ~ン!と反り返って外れてしまいます。そうすると液の量を増やせば良いのだ!と実行すると全然接着出来ません。
今は、エッチング・パーツの柔らかさと瞬着の扱いにくさと大格闘の毎日です。

【雪風】はもう17日も掛かっています。資料も読んだりしているともっと詳細に組み立てなければいけないのでは?などと思ってしまいます。

>これもTakumi氏の受け売りですが。

とんでもないです。いつもありがとう御座います。
Takumi様とは、たま~にメールをしています。
急がしそうなので、返信が遅いですけど……。
by jeff-carlton (2011-12-26 22:05) 

VAN

jeff-carltonさま、こんにちは。

もし誤解されていたら申し訳ないのですが、
このブログの艦船は雪風から始まっていますが、
雪風が私にとって最初のエッチングを使った作品
というわけではないです。
エッチングを使用してディティールアップしよう、と思い立ってから
数にして8隻、時間にして3年間を費やして雪風に到達しています。
誰も最初からうまい人などいません。VANですら未だ道半ばです。
jeffさまは性急に結果を求めすぎていると思います。

技術については
大日本絵画刊「1/700艦船模型の作り方ベーシック編
-Takumi明春の艦船模型"至福への道"其之参」
に書いてあることがすべてです。
少々高い本なので正直勧め辛いのですが、
「アマチュア」であるVANがタダでその技術を他人に伝えてしまっては
「プロ」であるTakumi氏に申し訳ないです。
決して意地悪をしているわけではありませんのでご理解ください。
VANなりのリスペクトと捉えていただきたいです。
他にも模型雑誌などで定期的に特集していますので
そういったものを参考にすると良いです。

>【雪風】はもう17日も掛かっています。
VANは長良にもう5ヶ月もかかってますが…。
by VAN (2011-12-29 15:50) 

jeff-carlton

VAN様、こんにちわ。

そうですね。
ちょっと急いでいたかも知れません。
(年齢が年齢なのであまりゆっくりとしてもいられません)

音楽は誰の演奏も自分で出来ると思い込んでやって来ましたので、
プラモデルもプロのモデラーさんの真似事をしてしまいます。

参考書を取り揃えて勉強し直します。

身分不相応なコメントにて失礼いたしました。
色々ご迷惑をお掛けし申し訳御座いませんでした。
by jeff-carlton (2011-12-29 16:29) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。