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命をつなぐ船 [1/700雪風(復員船)]

最終回です。舷側の艦名デカールを貼って、前檣に日章旗を揚げて完成です!

日本国 特別輸送艦 雪風 1946年(昭和21年)
Japanese special cargo ship YUKIKAZE (1946)
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艦橋上部3m測距儀の先端は白く塗られていたようなのでそのようにしてみました。
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実際、仮設居住区上部に天蓋用のキャンバスが
このように放置されていたかはわかりません。それっぽく見せるための演出です。
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漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の作者である水木しげる先生も、
この雪風に乗って帰ってこられたそうです。
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雪風(就役時)、雪風(天一号)と並べてみます。
DSC03431.JPG

整合性が取れていないとこがありますね…。そのうち修正しなくては…。
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資料が少なくわからない部分は想像でこなしたので、半分くらいは架空艦です。
ですのであまり資料的価値はありません。念のため。
今回の制作にあたっては、試してみたいと思っていたことや、
いままで気づいていながらも手をつけてなかった点を取り入れて制作しました。
前檣の半自作、仮設居住区の箱組みは、次の丹陽制作に向けての練習になりました。
アンカーリセスの修正、フェアリーダーの追加、蒸気捨て管の先端形状修正、
キセル型通風筒の制作などはおおむねうまくいったと思います。
反省点は、瞬間接着剤の取り扱いがあいかわらず上達しないところです。
今回は特に舷外電路接着時に接着剤がはみ出して外観が良くないです。
箱組みの精度ももう少し上げないといけません。仕上がりが雑です。


アジア歴史資料センターにいくつかの復員輸送に関する報告書が公開されています。
雪風そのものの報告書はありませんでしたが、
復員輸送がどのようなものであったかを断片的に知ることができます。

終戦後の復員兵や民間人の置かれた状況は、場所によって様々だったようです。
北支・満州方面からの復員輸送の報告書には、
聞き取りによって当時のソ連軍八路軍の状況や満州人の対日感情の変化などが
詳細に報告されており、復員輸送には、戦後の大陸の情報を収集する
役割があったたことも伺わせています。
また、南方からの報告書には、武装解除に応じず密林の中に潜伏している
兵が数名いること、帰還する者は皆、本土がどうなっているのか
とても知りたがっていたことなどが記されています。

報告書を見る限りでは、戦後、海軍より復員輸送の任を受け、
第二復員省に引き継がれた後も、従事する船員は戦争に負けたからと言って
決して手を抜くことなく、皆最後まで真面目に任務に当たっていたようです。
日本人らしい一面だとVANは思います。
雪風もまた、多くの将兵や民間人を内地に送り、
立派にその務めを果たしたのだと思います。

遠く離れた戦地から復員船に乗り、故国日本の島影が見えたとき、
どんな思いだったのでしょうか。
DSC03400.JPG

特別輸送艦雪風を作る ー完ー
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コメント 6

さっちゃん

ほわわわ .+ o(*´▽`*)o +.  

見惚れますのぅwwww

最後の文章にも共感です。
by さっちゃん (2010-04-10 19:13) 

知苦労度

VAN様、こんばんは。
特別輸送艦「雪風」の完成、おめでとうございます。
手元にある実艦写真資料と比較して見ても良くリサーチされていて、
個人的には凄い価値のある作品だと思います。
また、信号旗が良いアクセントになっていますね。

この時期の艦艇は武装が撤去されていて
あまり模型映えがしないものですけど、
それをあえて模型で再現したVAN様は、
「雪風」に対する並々ならぬこだわりと愛情があるのでしょうね。
私も見習わないといけません。

完成を祝して、『復員者歓迎の歌』をひとつ。

 皆さん永々ご苦労さん
 迎えに来ました雪風が
 故國の便り満載し
 万里波濤の浪蹴って
 (以下省略)

「雪風」に敬礼!! <(`・ω・´)
by 知苦労度 (2010-04-10 19:41) 

terry

どもっ。復員時代の雪風の完成おめでとうございます。
武装が外されたこと、戦時に比べて明るめのグレー塗装が、ある時代の終わりを示しているようで感慨があります。

>漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の作者である水木しげる先生も、この雪風に乗って帰ってこられたそうです。

水木先生の内地帰還もこの船でしたか!

これで「雪風 三部作完!」となりますが、外伝丹陽はいかがでしょうか?

by terry (2010-04-11 21:11) 

VAN

さっちゃんさん、こんばんは。

>見惚れますのぅwwww
ありがとうございます!
ほめてもらえると次の制作への意欲がわきます!
さっちゃんさんのブログ、いつも楽しく見てますよ。
さっちゃんさんは趣味が多いですね。すごいです!
高校生活も頑張ってください。



知苦労度さん、こんばんは。

>特別輸送艦「雪風」の完成、おめでとうございます。
ありがとうございます。
われながら地味な題材だとは思ったんですが、
避けては通れない道ですので敢えて挑戦してみました。
ただ正直なところ、4部作に挑戦しようとした
最初の動機は本当に軽いものでした。
いろいろと調べているうちに、深く興味を持つようになった
という感じです。

>『復員者歓迎の歌』
これは知りませんでした。
検索したら歌詞が出てきたんですが良い歌ですね。
ちょっとぐっと来ました。



terryさん、こんばんは。

>復員時代の雪風の完成おめでとうございます。
ありがとうございます。

>戦時に比べて明るめのグレー塗装が、ある時代の終わりを示し
>ているようで感慨があります。
本当は舞鶴工廠グレーなのですが、手に入らなかったので…。
VANは色に関しては結構いい加減なのですよ。
だいたいこんな感じかな〜、で済ませてしまいます。

>外伝丹陽はいかがでしょうか?
もともと丹陽を含め4部作で企画しています。
でも制作着手は来年以降になりそうです。

by VAN (2010-04-12 23:34) 

やすらぎ伊王島

VAN 様

はじめまして。
長崎温泉 やすらぎ伊王島 内田と申します。

私たちの施設より軍艦島ツアーを開催しております。
8月には軍艦島へブラックダイヤモンド号が就航いたします。
軍艦島の認知度を広げたいと考え VAN様のブログに
バナーを貼らさせて頂きたくメールを差し上げました。

ご検討のほどよろしくお願いいたします。
バナー画像は、ご用意いたしますので、
ご連絡お待ちしております。

長崎温泉やすらぎ伊王島 内田
e-mail:tuchida@kpg.gr.jp

by やすらぎ伊王島 (2010-06-12 11:36) 

VAN

内田様、はじめまして。

バナーの件、以下2点の理由に依りまして、
ご遠慮いただきたく、お願い申し上げます。

1)
当ブログは個人が運営する私的なブログとなっています。
同じく私的な同好のブログ又はサイトとリンクするのは
やぶさかではないのですが、
営利目的となると、そのリスクに対する責任を当ブログも
負わなくてはならなくなるのではないかと考えます。
考え過ぎかもしれませんが、もしリスクがが発生した場合、
当ブログではその責任を負いかねると考えます。

2)
当ブログは模型を中心とした構成になっています。
また日々の来訪者の数から考えて、宣伝効果は低いと考えます。
どのような基準で当ブログを選んでいただいたのか存じませんが
旅行や廃墟探訪を目的としたブログ等に
ご依頼された方がよろしいかと思われます。

以上

長崎県は以前、佐賀県唐津から東松浦半島を回って、平戸までしか
行ったことしかありませんが、大変風光明媚な良いところでした。
また、長崎には友人知人も多くおり、良い印象を持っております。
軍艦島へも機会があれば、ぜひ訪れてみたいと思います。
このような結論になり申し訳ありません。
御社の更なるご発展をお祈り申し上げます。

by VAN (2010-06-14 20:43) 

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