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艦載機の工作(1) [1/700航空戦艦日向]

まず、お詫びと訂正なんですが、いくつかのエントリの中で紹介した
ピットロードのエッチングパーツ「軍艦一般装備(PE-01)」ですが、
「絶版」と書きましたが、ピットロードのホームページを確認したところ
絶版ではありませんでした。
どうも別のエッチングと勘違いしていたようです。
ここに、お詫びして訂正いたします。
絶賛発売中ですので、バンバン買ってください!
汎用パーツやレーダー類が豊富で、さまざまな艦船に流用できます。
特に大戦末期から60年代にかけての米海軍艦船のグレードアップに
にぴったりだと思います。



日向に艦載機を乗せてみようと思います。しかも満載で。
しかし、1944年10月、エンガノ岬沖海戦時、
伊勢、日向共に艦載機は搭載されていませんでした。

アジア歴史資料センター
「昭和19年5月1日〜昭和20年3月1日 第4航空戦隊戦時日誌抜粋(旗艦日向行動等)」
レファレンスコード:C08030742400
本資料は「私文書のためアジ歴では非公開」になりました。
防衛省防衛研究所史料閲覧室では本資料の閲覧が可能とのこと。(2012/06/25追記)

によれば、
1944年(昭和19年)5月、第634海軍航空隊(634空)が編制され、
伊勢、日向と共に第4航空戦隊が組織されます。
634空は、彗星22機、瑞雲22機で構成され、その搭載区分は、
日向は、彗星14機、瑞雲8機。伊勢はその逆、となっていました。
同年6月24日には伊勢、日向共に、彗星4機、瑞雲6機を受領。
広島湾で射出訓練を行っています。
同年8月31日、岩国沖にて彗星11機、瑞雲7機を収容し、
翌日、伊予灘にて射出訓練を行っています。
しかし、同年10月17日。米軍がレイテに上陸すると634空は、
彗星は台湾航空戦に、瑞雲はフィリピンに回されてしまい、
伊勢、日向は「艦載機無き航空戦艦」として、
エンガノ岬沖海戦に出撃していくことになるのです。

「航空戦艦」と言えば聞こえは良いですが、
ミッドウェー海戦で、虎の子の空母4隻を喪失し、
新たに建造中の空母が完成するまでの間の
「つなぎ」として考えだされた苦肉の策でした。
射出訓練こそ行いましたが、結局艦載機は他の戦地に回されてしまい、
日向は航空戦艦として、その真価を一度も発揮することなく、
米軍の爆撃に合い、情島沖で大破着底したのです。

何ともむなしい話じゃないですか。
訓練を行った日向の乗組員も、航空隊隊員も、
十八改装にあたった、設計担当も、現場の工員も、
たとえそれが場つなぎのものだったとしても、皆必死だったことでしょう。
しかし、その苦労は決して報われることはなかったのです。
だからこそ、史実とは違っても、せめて模型の中だけでも、彼等の苦労に報いたい。
それが今回艦載機を満載する理由です。


それでは工作に移ります。
彗星瑞雲の搭載数ですが、全22機のうち、
11機は格納庫内、11機は射出甲板及びカタパルトに露天係止する計画だったので、
9機は格納庫内、13機は射出甲板及びカタパルトに露天係止する計画だったので、
露天係止分11機13機を作ることにします。
11機の内訳は、彗星6機、瑞雲5機とします。
13機の内訳は、彗星7機、瑞雲6機とします。
本当はもう少し違った構成にしたかったのですが、
ハセガワのエッチングの運搬台車が、彗星用、瑞雲用共に各6基分しか無いので
このような構成にしました。

彗星二二型
全体のバリを取り、スピナーを削り取ります。
主脚が出ているんですが、射出甲板上では収納してたのではないかと思い、削りました。
風防のモールドが高く、あまり似てなかったので、削って低くしました。
DSC04364.JPG
DSC04366.JPG

瑞雲一一型
彗星同様に全体のバリを取り、スピナーを削り取ります。
主翼翼端を少しだけ削り、角張った感じにします。
これも風防のモールドが高いので削って低くしました。
エンジンカウル正面を1.0ミリピンバイスで浅く彫り込みました。
DSC04374.JPG
DSC04372.JPG
DSC04377.JPG

削り取ったスピナーはマスキングテープに貼付けて、なくさないように保管しておきます。
プロペラはハセガワのエッチングを使用しています。
1枚ごとに45°くらいひねって、取っておいたスピナーを取付けました。
DSC04386.JPG
DSC04389.JPG

塗装は、まず裏側に明灰色を吹いて、次に表側から暗緑色を吹きました。
塗装の境界は、乾燥後筆塗りでタッチアップします。
暗緑色はタミヤのXF-11を使用しましたが、すごく暗いですね。
色としては合ってるんでしょうけど、背景が白や黄色など、
コントラストが強いと、ほとんど黒にしか見えません。
DSC04382.JPG

風防はX-7ブルーで塗りました。
人によっては、シルバーに塗ったり、水色に塗ったり、好みが出るところです。
他の部分も細かい塗り分けを行い、デカールを貼りました。
デカールはマークセッターで馴染ませています。
フロートの赤いラインもデカールです。位置をそろえるのに苦労しました。
労力はマスキングでやるのと大差無いかもしれません。
DSC04401.JPG
DSC04396.JPG

それぞれを組立てて完成です。
DSC04404.JPG

運搬台車滑走台はハセガワのエッチングです。
彗星の運搬台車滑走台です。うん、バッチリ。
DSC04407.JPG

瑞雲の運搬台車滑走台です。あれ?なんかおかしいぞ!?高さが合いません…。
DSC04413.JPG

完成間近でこんな落とし穴が…。
(朱記訂正 2010/09/21)
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のん太

もうすぐ完成ですね。楽しみにしています。自分も伊勢・日向作ってるので、参考にさせていただいてます。
そりにしても、完成間近で落とし穴とは。
by のん太 (2010-09-15 08:10) 

VAN

のん太さん、はじめまして。こんばんは。
nice!ありがとうございます!

>そりにしても、完成間近で落とし穴とは。
よく資料をチェックしていれば避けられたのですが…。
あともうひとつ問題が発生してしまい、
完成しそうで、なかなか完成しないです^^;
by VAN (2010-09-15 23:06) 

terry

どもっ。コピペが失敗しまして書き直しております。

>日向に艦載機を乗せてみようと思います。しかも満載で。
はい!わたしも航空戦艦を建造のあかつきには艦載機を満載したいです。航空戦艦の果たし得なかった夢を追いたいと思います。

>瑞雲の運搬台車です。あれ?なんかおかしいぞ!?高さが合いません…。
たしか運搬台車(車付き台)と滑走台のペアが使われていたのでは?

by terry (2010-09-20 23:46) 

VAN

terryさん、こんばんは。

>たしか運搬台車(車付き台)と滑走台のペアが使われていたのでは?
私も疑問に思い、ちょっと調べてみました。
次のエントリにその内容を記していますので、ご覧になってみてください。
今まで運搬台車と滑走台がごっちゃになって認識してました。
ハズカシイ…。
by VAN (2010-09-21 21:30) 

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