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艦載機の工作(2) [1/700航空戦艦日向]

様々なところで語られていますが、
秋から年末にかけてのフジミの新作ラッシュはすごいですね。
ブレーキの壊れた暴走機関車のようです。
そんな中、VANが注目したいのは、
年末発売予定のファインモールド1/350駆逐艦綾波です。
先日ホームページで、新たにパーツの画像がアップされましたが、
魚雷発射管の防盾の中身まで再現しているという凝り様です。
ナノドレッドシリーズを出しているメーカーですので、
細部の作り込みなど、かなり期待が持てそうです。
まあ、VANは買わないんですけど…。
だって、手を出したらはまってしまいそうだし…。お金ないし…。置き場所ないし…。


伊勢型航空戦艦特有の構造があります。
射出甲板の運搬軌条とカタパルト上面が、同一のレベルにある、というところです。
「ふーん、それって普通じゃね?」と思うかもしれませんが、
それまで水上機を運用してきた戦艦、巡洋艦(航空巡洋艦含む)、水上機母艦などでは、
運搬軌条とカタパルトには大きな段差がありました。
運搬軌条の上に運搬台車を置き、その上に滑走台を置き、
さらにその上に水上機を乗せるような格好になっていました。
運搬台車の上面とカタパルトの上面が同じレベルになっており、
そこに滑走台をスライドさせてカタパルト上に装填する仕組みになっています。
双フロートの水上機であれば、滑走台を低くして
カタパルトを跨ぐようにすることもできたわけです。

学習研究社刊 歴史群像太平洋戦史シリーズVol.26 「伊勢型戦艦」
P.150 「伊勢型航空戦艦の運用思想」によれば、
伊勢型航空戦艦は、運搬軌条とカタパルト上面が、同一のレベルにあるため、
運搬台車を使わず、滑走台そのものを移動し、
カタパルト上に装填する仕様になっていました。
瑞雲のような双フロート機を移動させるためには、
かなり背の高い特殊な滑走台を必要としたのです。

そこで前回の続きです。
滑走台はハセガワのエッチングのままでは低いので、
プラ材とのばしランナーを使って、2ミリかさ上げしました。
特殊な滑走台がどのような格好をしていたのかわからないので、
外観は全くの想像です。
DSC04417.JPG

これでフロア面に干渉せずに射出甲板上を移動できます。
実のところ、この問題に行き当たるまでは、
滑走台と運搬台車の区別がついていませんでした…。
DSC04421.JPG


前回のエントリをアップした後、ひとつ間違いに気付きました。
艦載機の露天係止数と格納数です。
前回、「11機は格納庫内、11機は射出甲板及びカタパルトに露天係止。」と書きましたが、
資料をよく読んでみると、格納庫内には、「9機」しか入らないとのことでした。
定数が22機ですから、露天係止分が「11機」では計算が合いません。
露天係止分は、正しくは「13機」となります。

資料をななめ読みした際に、「甲板上に11機」という一文が目に飛び込んできて、
さらにハセガワのエッチングにプロペラが11機分しかなかったことから、
そこで思考停止してしまったのが思い込みの原因でしょう。
「甲板上に11機」という一文も、想像力を働かせれば、
「甲板上に11機(とカタパルト上に2機)」と省略された部分も読み取ることができます。
どんなに立派な資料本を持っていても、
しっかり読んで、内容を理解しなければ意味がない、ということです。

そんなわけで、瑞雲、彗星各1機ずつ追加制作しました。
彗星の滑走台が足りないので、エッチングパーツの余りから、
それっぽいものを選んで取付けました。
足りないプロペラはピットロードのエッチング、軍艦一般装備(PE-01)から取りました!
DSC04423.JPG

台車と艦載機を取付けました。
右舷側に瑞雲、左舷側に彗星としましたが、配置は全くの想像です。
射出甲板上に13機配置するのは、艦に備え付けのデリックでは無理ですね。
接岸して、岸壁のクレーンなどを使って積み込んだんだと思います。
DSC04430.JPG
DSC04434.JPG

次回で最終回です。
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コメント 4

知苦労度

VAN様、こんばんは。
フジミの新作ラインナップは予想外でした。でも、大型艦ばかりなので私は買い控えます…。
FM社の「綾波」も1/700だったら良かったのに…と思ってしまいます(汗)。

> どんなに立派な資料本を持っていても、
> しっかり読んで、内容を理解しなければ意味がない、ということです。

何だか身につまされるお言葉です。スケールモデルにおいて考証は大事な要素ですけど、資料内容を正確に理解して模型に生かすのは難しいものですね…。

それから、私のブログに初コメ、ありがとうございました!
本来はもっと早くこちらに報告するべきでした、どうも失礼いたしました。
by 知苦労度 (2010-09-22 00:08) 

VAN

知苦労度さま、こんばんは。

>フジミの新作ラインナップは予想外でした。でも、大型艦ばかりなので私は買い控えます…。
私も今回のラインナップの中に欲しいキットはないですね〜。


>FM社の「綾波」も1/700だったら良かったのに…と思ってしまいます(汗)。
私も心の底からそう思います。
でも1/700は多くのメーカーがしのぎを削るカテゴリーですから
今からそこに食い込んでいくのは相当な覚悟がいるでしょうね。

>何だか身につまされるお言葉です。
私の失敗を反面教師として、生かしていただければ幸いです。
恥を晒した甲斐があります。

>私のブログに初コメ、ありがとうございました!
いえいえ、たのしみにしておりますですよ!!
by VAN (2010-09-23 00:14) 

terry

どもっ。
なるほど!移動式滑走台ですか。それでカタパルトと航空甲板が同じ高さなんですね。
いよいよ次回は完成ですね。楽しみです。
by terry (2010-09-25 23:29) 

VAN

terryさん、こんばんは。

>なるほど!移動式滑走台ですか。
資料本の受け売りなんですが、それがどんなものだったのか、
と問われると、私にもわかりません。(汗
水上機の運用に対する知識が欠けてるんですよ…。
まだまだ知らないことばかりです。
by VAN (2010-09-28 20:31) 

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