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「戦艦の時代」の終焉 [1/700航空戦艦日向]

最終回です。制作開始から5ヶ月と10日余り…。
最後に軍艦旗、菊花紋章を取付けて完成です!

1/700 大日本帝国海軍 航空戦艦 日向
1/700 IJN Aircraft Battleship HYUGA
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艦首部
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上部構造物
信号桁に張り線をしてみました。それだけではさみしいので
とりあえず日向の信号符字「JGDA」をぶら下げました。
信号桁の張り線は難しいですね。きれいにそろわないです。
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後檣、射出甲板
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瑞雲射出
1番機の瑞雲は接着せず、飛行状態の瑞雲と置き換えできるようにしてみました。
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最後の最後で、参考資料の追加なんですが、
アジア歴史資料センターから、
「昭和19年10月1日~昭和19年11月5日 捷号作戦戦時日誌(3)
軍艦瑞鶴・軍艦日向」
レファレンスコード:C08030038200
です。

これのp.38に、艦尾噴進砲装備の訓令が記載されているのですが、そこに、

一、工事要領
イ、艦尾両舷に張出を設け十二糎二十八連装噴進砲六基を装備す
ロ、後檣に噴進砲射撃装置を二基装備す
ハ、前諸項に関連する工事を施?す(※?は解読できず)

とありました。
注目したいのは、ロ項です。この後檣に設置された2基の射撃装置とは、
以前「後檣の工作」で、詳細が不明だったので、双眼望遠鏡2基を設置した
あの見張り台ではないかと思います。
よって、これを反映して、双眼望遠鏡を取り外して射撃装置2基に交換しています。

今回は反映できませんでしたが、ハ項に関連する工事で、p.40に、

機銃甲板と噴進砲甲板間通路の新設 10月3日着手〜竣工(予定)日未定

とあるので、この通路を再現すると、より現実に近くなると思います。
まあ、ほとんど見えない部分ですが。

そのほか、p.43に、

仮称三式一号電波探信儀2kW交流発電機新設 10月5日着手〜10月11日竣工(予定)
(官機第四六二号に依り)

との記述があります。三式一号電波探信儀とは、13号電探の正式名称です。
ここでも、13号電探の装備実績が確認できます。
装備数と位置については依然不明ですが。


キットについて
・組立て説明書がわかりづらいです。
 よく読んだ上で、塗装との兼ね合いを見ながら、
 自分なりに組立てやすい手順を考えるのがいいと思います。(特に艦橋部)
・キット自体はかっちりとした仕上がりになってます。
 そのまま組んでも楽しめるし、今でも十分通用するキットだと思います。

反映していない点
・艦橋部の戦闘艦橋窓枠から測的所窓枠までの寸法が、
 実際のものより長く、間延びした感じです。
 もっと寸法をつめると、実物に近くなりますが、
 その場合、艦橋全体の高さも低くなり、射撃所支柱の長さ、角度も変わってくるので、
 慎重に作業を行う必要があります。
・戦闘艦橋正面にある「ひさし」は十八改装後の日向にはなかったかもしれません。
・後檣クロスツリー、トップマストのエッチングパーツは全体的に小振りです。
 また、クロスツリーを上から見た時の、開き角度が違います。
 ここら辺を直すとなると、エッチングパーツを切り刻まないといけないので、
 真鍮線などで一から作り直した方がいいでしょう。
 また、エッチングは補強ブレスの取付け角度が違うので、
 厳密には「伊勢」には使用できません。
・前述のとおり、噴進砲ステージと機銃スポンソンの間に連絡通路があります。
 どのようなルートを通っていたかはわかりませんが、
 水上機収容デリックの機械室を抜けて、機銃スポンソンに向かうルート
 だったのではないかと想像します。
・噴進砲はキットのモールドをそのまま使用しましたが、
 実際はこれより一回りくらい小さいようです。
 技量のある方は、作り直してみてもいいと思います。
・エンガノ岬沖海戦時は、射出甲板上に防盾と土嚢に囲まれた
 25ミリ単装機銃が複数設置されてました。
 艦橋部、機銃スポンソン及び探照灯廻りにはマントレット、ロープが設置されていました

反省点
・「金かけすぎた。」「時間かけすぎた。」という2点が大きな反省点です。
 もう少し気楽に作るはずだったんですが、
 作っているうちにどんどんエスカレートしてしまいました。
 ただ、「1隻にかけたコスト」と考えれば大きな金額ですが、
 「余暇を楽しむための単位時間あたりのコスト」と考えれば
 それほどでもないのかもしれません。(計算してないけど)
・隠していましたが、実は船体がかなり反ってます。
 制作の中盤くらいに気がついたのですが、
 対応策として、船底に2ミリ径の穴を開口して木ネジで台座に固定しています。
 木ネジであるため、あまり取り外しができません。
 次に大型艦を作る時は、必ずナットを仕込もうと思います。
・水上機の運用について無知だった点も反省点です。
 もともと大戦期の航空機については、全くといいほど無知なので、
 ここら辺も、もう少し勉強しないといけません。



艦隊同士の砲雷撃戦から、空母機動部隊による航空戦に…。
航空戦艦日向は、戦術が急速に変化する中で生まれた鬼子であるように思います。
それは取りも直さず「戦艦の時代」の終焉を意味していたようにVANは感じるのです。
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コメント 5

terry

どもっ。日向の竣工おめでとうございます。
>最後に軍艦旗、菊花紋章を取付けて完成です!
やはりそうですよね!菊花紋章は最後でなくちゃ。

キットは購入済みなので製作後記参考になります。
自分が伊勢型航空戦艦を作るとして、悩ましいのはいつの艦型に
するか?でしょうね。対空兵装強化前か後か。。。

あと大型艦は船体のソリ対策は重要ですね。
自分の場合レジンキット主体で、手強いソリということもありますが、前後主砲バーベットにナット穴を掘ってアクリル板側からネジ止めしてます。それでもソリがでるので、アクリル板と収納ケースをネジ止め。これでほぼ対策できています。

by terry (2010-09-29 01:25) 

のん太

完成おめでとうございます。
真横からの写真がなかなかいいですね。他の艦からは、こんな風に見えてたんだろうなと想像が膨らみます。
大変参考になる記事の数々で、いざ自分が作ろうとすると縮こまってしまいます。すごいです。
最後に軍艦旗、菊花紋章は大事なお約束ですね。一番満足する瞬間かもです。

by のん太 (2010-09-29 21:35) 

VAN

terryさん、こんばんは。

>日向の竣工おめでとうございます。
ありがとうございます。

>自分が伊勢型航空戦艦を作るとして、悩ましいのはいつの艦型に
>するか?でしょうね。対空兵装強化前か後か。。。
十八改装直後の機銃スポンソンのない状態とか、
あまり作例として見たことないので、そういうのも面白いですね。
今回作った日向は装備や艦載機の搭載など架空の仕様ですが、
艦載機を満載してた時期はあったと思うんです。
1944年9月〜10月の訓練中は満載になった可能性があります。
その場合はまだ噴進砲は装備されてなかったので、
外さなくてはいけませんが。

terryさんは次はカゴマストの米戦艦ですね!
すっごい楽しみしてます!
VANはもうしばらく戦艦はいいやって感じです。ツカレマシタ。


のん太さん、こんばんは。

>完成おめでとうございます。
ありがとうございます。

>大変参考になる記事の数々で、いざ自分が作ろうとすると縮こまってしまいます。すごいです。
いえいえ、逆にVANは航空機に関する知識があまりないので
のん太さんの記事は大変参考になります。
あまり他人のことは気にせず、自分なりのスタンスで作るのが
一番いいと思いますよ!

>最後に軍艦旗、菊花紋章は大事なお約束ですね。
最後にこの工程を残してます。取付けの時はテンション上がります!
by VAN (2010-09-30 00:10) 

知苦労度

遅ればせながら、「日向」の完成おめでとうございます!
いや~、月並ですが、“とにかく凄い”の一言です(汗)。

模型自体の完成度も素晴らしいですけど、制作過程の記事のまとめ方など、とても参考になります。
自分でブログをいざ始めてみて、制作過程を事細かに写真撮影してから、
テキスト内容を考えるのはなかなか面倒だな~と実感しております(ヘタレですね…)。

私は軍艦旗は最後に付けますけど、菊花紋章は制作途中でさっさと付けてしまうタイプですね。
だってほら、実艦も進水時には既に付いていますし…(苦笑)。
by 知苦労度 (2010-10-01 00:40) 

VAN

知苦労度さん、こんばんは。

>遅ればせながら、「日向」の完成おめでとうございます!
ありがとうございます。

>自分でブログをいざ始めてみて、制作過程を事細かに写真撮影してから、
>テキスト内容を考えるのはなかなか面倒だな~と実感しております(ヘタレですね…)。
今のようなスタイルが良いのか悪いのか、
自分でもまだ判断つかないんですよね。
文章を書かなくても、圧倒的な技術力で魅せるような
ブログやサイトもたくさんありますし…。
面倒に思う時もしょっちゅうあります。
ただ、備忘録として、あのとき何を考えながら作っていたか
後から見返して自分のためになる物を、と思いながら
書いています。

>菊花紋章は制作途中でさっさと付けてしまうタイプですね。
プラパーツの時はVANもそうしてますね。
でも金色に塗るのは最後です!
by VAN (2010-10-02 20:19) 

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